● 香りは「焚く」もの?
さてここからは、ケミリー流アロマテラピーの楽しみ方を身につけていきましょう。
先に見てきたとおり、香りの有効成分を体内に吸収するには、嗅ぐ事(まとめの@とAの部分)と肌につけること(まとめのBの部分)の二つがあります。中でも香りを嗅ぐという行為は、アロマテラピーの基本中の基本。それだけに、アロマテラピーには、ただ「嗅ぐ」だけの行為でも、実に様々な「嗅ぐ方法」があるのです。
とくにチュニジアのケミリー家では、香りを「焚く」という行為をとても大切に考えています。なぜなら、香りを焚くという行為は、香りを天に届けるという気持ちが背景にあるから。イスラム教の祈りを奉げる時、おめでたいことがあったときなど、神への感謝の気持ちや祈りの心を持って、香りを部屋中に焚き染めるのです。ちなみにパフュームの語源は、煙(フュ−ムfume)を天に届ける(パーper)こと。目を閉じて、心静かにエッセンシャルオイルの香りを嗅いでいると、あなたもきっと宇宙とのつながりを感じることが出来るでしょう。
● 香りを焚くって、どうするの?
それにしても、香りを焚くというと、いったいどんなことをするんだろう?と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。なんか難しそう・・・そんな風に思われるかたもいらっしゃるかもしれません。実際、古代からケミリー家に伝わる正式な香りの焚き方は、香木に火をつけ、その煙を天に届けるというものです。また、芳香植物を乾燥し、粉末にしたものをブレンドして香炉に入れ、下から火をつけ、その煙で香りを楽しむという方法もよく使われていました。
しかし、今では香りを焚くという行為は、もっと身近になりました。エッセンシャルオイルの登場が、それを可能にしてくれたのです。ではさっそく、エッセンシャルオイルを使って香りを焚く方法を見ていくことにしましょう。
● エッセンシャルオイルを使えば、香りを焚くのはこんなに簡単
これだけだと、ちょっとわかりずらいかもしれませんね。ここで一つ、例を見てみることにしましょう。お手持ちの、ラベンダーオイルの香りを嗅いでみて下さい。今、あなたが嗅いだ香りの分子は、まず鼻の奥の嗅細胞に届けられました。そこからさらに電気信号となり、脳にその刺激が届けられます。すると脳の中では、香りの刺激により、「セロトニン」という物質が分泌されます。そう、今あなたの頭の中には、セロトニンという物質が多く分泌されているのです。そしてこのセロトニンこそ、自律神経のバランスを整え、気持ちや体を鎮静させてくれる働きをもつ物質なのです。
いかがですか?このように、香りは脳に直接働きかけるからこそ、私たちの心と体の双方をコントロールし、ベストバランスに持っていくことができる、というわけなのです。
香りの研究は近年はじまったばかり。これらの研究が進むにつれ、さらにいろいろなことがわかってくることでしょう。
● 脳には、嗅ぐための特別な場所がある
香りを焚く=自分のいる場所を香らせること、と考えると、エッセンシャルオイルを使った、いろいろな香りを焚く方法が考えられます。
1.ティッシュやハンカチにつける!
え?そんなこともアロマテラピー?とおもわれるかもしれません。でも、これだって立派なアロマテラピー。ティッシュやハンカチに、ケミリー家の処方箋をドロップするだけで、もうそこはアロマテラピーサロンに早代わりです。この方法なら、外でもできるし、家の中でも会社でも、アロマテラピーがすぐ実行できます。また、火を使わないので、寝室の枕もとにおいておくのもいいでしょう。
ハンカチにつける場合、エッセンシャルオイルの種類によってはシミが残る場合があるので、目立たないところで確認してからにしましょう。
2. お風呂に入れる
エッセンシャルオイルを入れて入るお風呂タイムは、至福のひととき。その際、いくつかの決まりがありますから、キッチリ守ってくださいね。
@ 全身浴・・・沸かしたお湯に、エッセンシャルオイルを約10滴入れます。香りが薄いな・・・と思っても、10滴以上入れるのはやめてください。アロマテラピーの香りは、ほのかに香る程度で十分な効果があります。むしろ、きつすぎるほど香りを入れてしまうと、気持ちが悪くなるなどの逆効果が考えられるので、注意してください。
エッセンシャルオイルはお湯の上に膜をはりますから、浴槽のヘリをたたいてオイルを中心によせ、体にまとわりつかせるようにして入浴しましょう。15分くらいゆっくり入ってください。入浴後は、すこし成分を体に浸透させてから、タオルでおさえるようにして体をふいてください。
A 部分浴・・・洗面器やバケツにやや熱めのお湯をはり、エッセンシャルオイルを2〜5滴ほど落とします。
A.手浴・・・首や肩のコリ、心身の緊張を解消するのに効果的な方法です。手首の上までお湯につけ、10〜15分程度、ゆったり使ってください。手のツボなど押すとさらに効果的です。
B.足浴・・・風邪などの感染症や利尿、不眠の解消に。くるぶしの上までつかり、手浴と同様に10〜15分のんびりしてください。
C.座浴・・・膀胱炎や生理痛、痔などの改善に。お臍の下までい油につかり、5〜10分。
D.半身浴・・・冷え性や低血圧、二日酔い、体質改善に最適な入浴法。お臍の少し上までつかります。上半身がひえないよう、肩にタオルなどをかけて入りましょう。30分〜40分ほど入り、十分に汗を出すと効果的です。
3. アロマポットを使用する
市販されているアロマポットを使用して香りを楽しむ方法です。アロマポットには、キャンドル式とライト式があります。
・ アロマポットの使い方・・・上部のお皿にお湯(水でもいいですが、お湯のほうが温まりやすく、より早く香りが拡散します。)を入れ、そこにエッセンシャルオイルを5〜6滴垂らし、下にあるキャンドルまたはライトの熱でエッセンシャルオイルを温めます。エッセンシャルオイルは温められると気化し、空気中に拡散されます。6畳間で30分〜1時間ほどが使用の目安です。
・ 注意・・・キャンドル式のものは火を使うため、必ず側から離れないようにしましょう。また、安全を考えると、寝室での使用も避けたほうがベターです。ライト式なら、火を使わないので安心です。(クリック→ケミリーライトの紹介。以下の文を載せませす。
「約60分で自動的に明かりが消えるケミリーライト。火を使わず、また自分で消すわずらわしさがないので、寝室に最適。アロマポットをつけたまま、安心しておやすみください。」
4. マグカップで香らせる
アロマポットをお持ちでないかたは、マグカップにお湯を入れ、そこにエッセンシャルオイルを入れることで代用できます。6畳間で5〜6滴が使用の目安です。
5. 洗面器から香りを嗅ぐ
風邪をひいたときになど試して欲しい方法がこちら。洗面器にお湯をはり、エッセンシャルオイルを3〜5滴垂らし入れます。頭から洗面器までタオルですっぽり覆うようにし、ゆっくり香りを吸入します。時間は5分程度が目安。即効性があります。
一口に香りを嗅ぐといっても、以上のように様々な方法があります。お気に入りの方法で、香りを楽しんでみて下さい。
もちろん、今回ご紹介した以外にも香りの楽しみ方はたくさんあります。次回から、さらに多くの香りの楽しみ方をご紹介していきますので、お楽しみに! |
まとめ:
それぞれの香りの楽しみ方には、エッセンシャルオイルをこれ以上使ってはいけない、というルールがあります。
ここでもう一度、確認しておきましょう。
1. ティッシュ、ハンカチにつける・・・最高で3滴まで
2. お風呂に入れる・・全身浴は最高10滴まで。部分浴は最高5滴まで。
3. アロマポット・・・最高6滴まで。
4. マグカップ・・・最高6滴まで。
5. 洗面器(吸入)・・・最高5滴まで。
香りは、強く香らせるとそれだけよく効く、なんてことはありません。むしろ少し少な目くらいの方が、穏やかでいながら確実に効果を発揮してくれます。香りがきつずぎると逆効果になってしまいますので、注意してくださいね。せっかくのアロマパワー、正しく使って効果を実感してください!
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