● アロマテラピーを知っていますか?
「アロマテラピーって知ってる?」と私の友人に聞いたところ、次のような返事が返ってきました。「香りのことでしょ?」
うーん、これは、あたらずとも遠からずといったところ。ちなみに皆さんは、アロマテラピーの意味を知っていますか?
アロマテラピー、これを日本語にそのまま訳すと「芳香療法」となります。これは1928年、フランスの比較病理学者ルネ・モーリス・ガットフォセが作った言葉です。
アロマ=芳香、テラピー=療法です。だから私の友人の答えは、最初の半分、つまり「アロマ」の部分だけが正解というわけなのです。
私の友人のように、「アロマテラピーって、香りを使って何かすることでしょ?」と思っているヒトは多いのですが、では何をするのかというと、案外わかっていないことが多いものなのです。みなさんは、知っていますか?
● 香りにできること
さて、そもそも香りには、いったい何ができるのでしょうか。
試しに、森の中の清々しい空気を想像してみてください。もし、難しいようであれば、
あなたの好きな花の香り(バラや金木犀など)や、フレッシュなレモンの香りなどを想像してみてもいいでしょう。(教材が届いている人は、試しにラベンダーのエッセンシャルオイルの香りを嗅いでみて下さい)
香りを想像して(または嗅いで)みて、どんな気持がしましたか?
なんだか気持がスッキリしたり、穏やかになったのではないでしょうか。
このように香りは、人をリラックスさせたり、リフレッシュさせることが出来る力を持っています。
ストレスの多い現代社会。一日の仕事が終わると、カラダばかりでなくココロがくたびれてクタクタ・・・という人も多いことでしょう。そんな私たちの疲れた心を香りによってリフレッシュし、またリラックスさせてくれるのがアロマテラピーなのです。
アロマテラピーとは、香りによってココロやカラダをリラックス&リフレッシュする健康療法です。
* アロマテラピーは、ストレスの多い先進社会で、とても愛されている療法です。とくにイギリスやフランスでは、アロマセラピスト達が病院などでも活躍しているほど。
* イギリスのアロマテラピーは、エッセンシャルオイル(次章参照)をマッサージオイルにブレンドして行なうマッサージが主流。また、フランスでは医師の処方のもと、エッセンシャルオイルの飲用が行なわれています。日本では、エッセンシャルオイルは医薬品とは認められていないため、また誤用をさけるためにも、飲用は薦められていません。
このように、アロマテラピーの楽しみ方は国によって様々。ケミリー家のあるチュニジアでは、もっぱら「嗅ぐ」ことが主流になっています。
● アロマテラピーの神髄、エッセンシャルオイル
では、アロマテラピーで使う香りは、良い香りであれば何でも良いのでしょうか。
ここがアロマテラピーの肝心なところなのですが、「アロマテラピー」で使用されるのは、「エッセンシャルオイル」と呼ばれる、薬理効果のある花や葉、実などから採れる100%天然の香り成分だけです。エッセンシャルとはエッセンス、つまり神髄のこと。植物にごく少量含まれる香り成分のことで、油状であることから、エッセンシャル(神髄)オイル(油)といわれます。
エッセンシャルオイルが採取される植物は、古代から薬草として人々に愛されてきたものがほとんど。こうした薬草を使用した治療は、民間療法として人々に愛されてきましたが、最近の研究結果でも、それらの植物が人に与える様々な健康効果が立証され始めています。
アロマテラピーで使用するのは、エッセンシャルオイルの香りだけ・・・ということは、よくある「ルームフレグランス」などはアロマテラピーではない、ということです。もちろん、香りによって気分が良くなったりすることはあるでしょうが、アロマテラピーがもたらす健康効果はあまり期待できません。また、ポプリオイルなども、いい香りではありますが、アロマテラピーには使われませんので、そこをよく覚えておいてくださいね。
* エッセンシャルオイルとは・・・植物に含まれている、揮発性の香り高い油状のもの。
植物の中にごく微量しか含まれていないため、少量のエッセンシャルオイルを採取するのに、大量の花や葉を必要とします。
例)1gのエッセンシャルオイルを採るのに必要な香料原料は・・・
ローズオイルなら、バラの花びら2000g
ジャスミンオイルなら、ジャスミンの花8000個です。
また、植物の中にあるときは、化学構造を絶えず変化させ、また時間や天候条件によっ
てのも含有量が変化します。エッセンシャルオイルは、まさに植物の生命力とも言えるでしょう。
* 購入時の注意点・・・@「エッセンシャルオイル」「学名」「産地」「品質保持期限」などが明記されているものを選ぶようにしましょう。また、品質の劣化を防ぐため、遮光ビンで、かつ滴数が正確に測れ、子供の誤飲防止効果もあるドロップ式のものが信頼できます。A価格が極端に安価なものは、科学合成品や類似油混合品の可能性が高いので、アロマテラピー効果が期待できないばかりか、危険なことがあります。
* 保管時の注意点・・・@直射日光、高温をさけて保管する。
A音のうるさいところも不可(精油の波形がこわれます)
Bフタをしっかり、こまめに閉める
C子供の手の届かないところに置く
D開封後、柑橘系オイルは半年以内、それ以外は一年以内に使い切ること。
* 注意事項・・・@原液のまま、直接肌につけたり、目に入れたりしないこと。
A原液のまま飲用しない。
B原液のまま衣服につけない。
C幼児(2歳以下)には、希釈(薄めること)したものであっても肌には用いない。
D肌につける場合、濃度2%を超えない範囲に薄めてから(希釈してから)使用する。
Eまれにアレルギー反応がでることがあります。肌にかゆみを覚えたり、
気持悪くなった時は、すぐに使用を中止すること。
まとめ;
@アロマテラピーとは、1928年、フランスの比較病理学者ルネ・モーリス・ガットフォセが作った言葉で、アロマ(芳香)とテラピー(療法)の合成語です。
A芳香性植物の中のエッセンシャルオイル(精油)による嗅覚刺激を治療手段とする治療法の名称です。
B植物の芳香を通じて宇宙とつながることであり、植物の芳香を通して自然界とつながることである。
(これはケミリー家の当主、ケミリー・ラバー氏の言葉です。)
Cエッセンシャルオイルによって魂をいきいきと躍動させ、真の健康を獲得し、生活を豊かにしていくことです。(ケミリー園子)
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